リモコンではちょうどよさそうな温度なのに、座っていると寒い。暖房をつけても、足元だけ冷える。そんなときは、設定の数字と、実際にいる場所の温度を分けて考えてみましょう。

エアコンが判断する室温と、人が過ごす場所の室温は一致するとは限りません。 部屋の上下で温度が違う「温度ムラ」が、その一因になります。

エアコンはどこの温度を見ている?

ダイキンの仕組みの解説では、一般的なエアコンは室内機が吸い込む空気の温度をもとに室温を判断すると説明しています。高い位置にある室内機と、ソファや床の近くでは、周囲の温度が異なることがあります。

暖かい空気は上に集まりやすいため、冷房中は人のいる場所がすでに涼しくても、エアコンがまだ冷やす必要があると判断する場合があります。暖房中は逆に、上の方だけ暖まり、足元が寒いまま運転が弱まることもあります。

この説明は、温度ムラによるずれの例です。機種ごとの検知方法や機能まで一律に同じという意味ではないので、細かな動作は手元の取扱説明書で確かめてください。

冷房と暖房では、風向の工夫も変わる

同じダイキンの解説は、温度ムラを抑えるため、冷房では水平、暖房では下向きの風向を勧めています。サーキュレーターなどで室内の空気を循環させる方法も紹介しています。

「効きが悪いから温度を大きく変える」と考える前に、今の運転モードと風向を見てみるのも一案です。以下は、確認する順番を編集部で整理したものです。

気になること まず見てみるところ
冷房中、座る場所だけ寒い 風が直接当たっていないか、下向きに固定していないか
暖房中、足元が寒い 暖房の風向が下向きになっているか
設定の数字と温度計が違う それぞれが部屋のどの場所の温度を示しているか

自動で風向を調整する機能などがある場合は、その機種の案内に従いましょう。表は故障の診断ではなく、使い方を振り返るためのものです。

「クールビズは28℃」も設定温度とは別

環境省のクールビズFAQ(2017年アーカイブ)が示す28℃は、冷房の設定値ではなく、室温の目安です。設定を28℃にしても室内が同じ温度になるとは限らず、必要なら設定を下げることもあると説明しています。

また、28℃に必ず合わせるのではなく、外気温・湿度・建物の状況・体調なども考慮する案内です。「リモコンが28℃だから、そのまま我慢する」という使い方は、この説明とは違います。

家では数字を2つ並べてみる

編集部からの提案は、設定を変える前に、「リモコンの設定」と「普段いる場所で温度計が示す室温」を一緒に見ることです。温度計の置き方は、その製品の説明書に合わせてください。

同じ部屋で家族の感じ方が違うときも、「何℃に設定したか」だけでなく、どの席で、どんな風の当たり方をしているかを話す手がかりになります。

設定温度は調整の出発点です。実際の室温や過ごしやすさも確かめながら、風向や設定を見直していきましょう。