南極で暮らす人は、毎日どんな食事をしているのでしょう。「寒い場所だから保存食ばかり」と想像しがちですが、観測機関の資料からは、食材を長く持たせる工夫と、食事を楽しむ工夫の両方が見えてきます。

昭和基地は、食材のほぼ全てを日本から運ぶ

国立極地研究所の説明では、昭和基地で一年に消費する食品のほぼ全てを日本から持ち込みます。紹介されている目安は一人あたり約1トン、越冬隊30人なら約30トンです。昭和基地の食事

この数字は同資料の説明上の目安です。すべての年・基地・隊員数に一律に当てはまる消費量ではありません。それでも、日々の料理の前に、大きな輸送と在庫の計画があることが分かります。

生鮮野菜を育てる工夫も

同じ資料では、レタスやキュウリなどの水耕栽培や、節目に用意する特別な食事も紹介されています。長い共同生活の中で、食卓は食材を消費するだけの場所ではないのです。

ただし、栽培した野菜ですべてを賄うという説明ではありません。輸送した食材と、現地でできる工夫を組み合わせる生活として読むのが適切です。

他国の基地も、保存方法を組み合わせている

オーストラリアの南極プログラムは、基地に専門のシェフがいて、年間約700種類の食品を備えると説明しています。生鮮品を使った後は、冷凍・缶詰・乾燥品や水耕栽培の野菜を組み合わせます。オーストラリア側の食事案内

日本とオーストラリアの資料は、別々の基地運営についての説明です。数値を足し合わせたり、片方の献立をもう片方の習慣として紹介したりはできません。

次に映像を見るときの3つの視点

料理そのものに加えて、食材が届く時期、保存する場所、特別な日の献立に注目してみてください。一皿の後ろにある仕事が想像しやすくなります。

今回の入口はドラマを題材とする短尺動画でした。この記事の基地生活に関する記述は、その映像ではなく上記の観測機関の資料に基づいています。