ヘビの形がそのまま残った抜け殻を見ると、「どうやってこんなにきれいに脱いだの?」と気になります。一方、トカゲの写真では、皮がところどころ浮いている姿を見かけることもあります。

脱皮の仕方は、爬虫類なら全部同じというわけではありません。 成長との関係と、脱ぎ方の違いを、動物園の解説から見ていきましょう。

脱皮は、古い外側の皮膚を入れ替えること

サンディエゴ動物園のヘビの解説では、体が成長する一方で外側の古い皮膚はそれに合わせて大きくならないため、定期的に脱ぎ替えると説明しています。トカゲの解説も、古い皮膚がはがれ、その下の新しい皮膚に替わる仕組みを紹介しています。

ただし、「子どもが大きくなるときだけのもの」と覚えるのは少し違います。熊本市動植物園の『ザ・脱皮』は、ヘビやカメなどでは大人になっても脱皮が続き、成長とは直接関係しない脱皮もあると説明しています。

大人になったら終わりではなく、皮膚の入れ替わりが続く。ここを知っておくと、成体の脱皮も不思議ではなくなります。

ヘビは、靴下を裏返すように脱ぐ

ヘビの脱皮について、熊本市動植物園は、固いものに古い皮を引っ掛け、頭から脱いでいく様子を紹介しています。外側だった面が内側に回る、裏返しの靴下を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

同園の解説では、模様のあるヘビは抜け殻にも模様が見えるとしています。「からっぽのヘビ」のような形だけでなく、表面に残った模様も観察のポイントです。

ただし、つながった抜け殻が見られるからといって、いつでも途中で破れないとまでは言えません。ここでは、ヘビの基本的な脱ぎ方として捉えてください。

トカゲは部分的にはがれることが多い

サンディエゴ動物園のトカゲの解説によると、多くのトカゲは古い皮膚をまとまった断片として落とします。一方、アリゲータートカゲの仲間には、ヘビのように一枚につながった形で脱ぐ例もあります。

熊本市動植物園が紹介するヒョウモントカゲモドキでは、体のあちこちで古い皮にひびが入り、浮き上がるように脱皮が進みます。「ヘビは一枚、トカゲは必ずバラバラ」と、例外のないルールにしないことが大切です。

見比べる対象 解説で紹介されている脱ぎ方
ヘビ 頭から、古い皮を裏返すように脱ぐ
多くのトカゲ 古い皮が部分的な断片としてはがれる
アリゲータートカゲの仲間 一枚につながった形で脱ぐ例もある

表は上記資料をもとに整理した比較で、脱皮が正常かどうかを判定するものではありません。

写真や展示を見るときは、種類と脱ぎ方をセットで

編集部からの提案は、脱皮の写真を見るときに、まず動物の名前を確かめることです。そのうえで「どこからはがれているか」「抜け殻がつながっているか」を見ると、種類ごとの違いを追いやすくなります。

展示施設の解説や公式写真でも比較できます。野外のヘビを見つけても、観察のために近づいたり持ち上げたりしないよう、サンディエゴ動物園も案内しています。

一瞬で目を引く脱皮の姿も、仕組みと種類を知ると見え方が変わります。次に抜け殻の写真を見かけたら、「何の動物が、どう脱いだ跡なのか」に注目してみてください。